ジヤトコプラントテック株式会社

業種 工場ユーティリティ設備運転保全 等
規模 ~500人
利用用途 電気、ガス、水道メーターの検針

A Smartの検針自動遠隔化で、エネルギー使用量の効率的な管理を実現

日本屈指の技術力で工場インフラの設備運転管理を行う、ジヤトコプラントテック株式会社。

過去にも「省エネルギー優秀事例全国大会」「エネルギー管理優良工場」としての表彰を受ける等、長年にわたりエネルギー使用および効率化の分野でも積極的な取り組みを進めていらっしゃいます。

今回はA Smart(エースマート)をご導入いただいた経緯についてお話を伺いました。

ジヤトコプラントテック株式会社
環境エネルギー部 動力課
佐伯 様(向かって右)
山添 様(向かって左)
*本記事内の企業情報、所属およびインタビュー内容は、2025年12月公開当時のものです。

導入検討に至った経緯・課題感

*エネルギー管理指定工場:省エネ法の定めにより、多くのエネルギーを使用する工場

導入の決め手 

導入結果 

まずはじめに、お二方の事業部の業務内容について伺えますでしょうか。

山添様: 私どもの部門では、工場のユーティリティ業務を担当しております。具体的には電気、液化石油ガス、圧縮空気、水、灯油の供給や排水処理といった工場インフラの維持管理を行っております。

佐伯様: 私はその中でも、富士地区にある、工場のインフラ設備全てを担当しております。この地区内で何かあれば全て対応するため、広大な範囲を車で移動しています。

A Smart(エースマート)はどういった経緯でご存知いただきましたか。

山添様: 戦時中の施設を流用している工場もあり、古い設備もある中でA Smart(エースマート)のサービスを上司が見つけました。
広さとしても「隣の工場へ行きます」と言うと、ほぼ隣町に行くような感覚があり、それほど広い工場が複数あります。

佐伯様: 私は、昨年まではインフラの運転保全部門で監督者をしていたこともあり、いかにコストを減らすか。仕事を減らし効率化させるかという視点もありました。まずは試しに入れてみようということで、最小限の台数から導入を始めました。

効率化はどんな観点からご覧になっていらっしゃいましたか。

佐伯様: 毎日、毎月、メーターまで出向き、検針を行って使用量を把握する業務を行っていますが、広大な敷地内のあちらこちらにメーターがあり、記録を取りに行くのだけでもかなり労力がかかっております。人も減少する中でいかに効率化できるか考えておりました。

山添様: 代替案として、メーターを交換してデータを飛ばすという方法も検討しましたが、無人で、設置したカメラ単体のみでメーターを撮影しデータを飛ばすというA Smartにメリットを感じました。より効率的に、より安価に、より確実にという観点に合致していました。

工場でのご利用ですと、耐火物メーカー最大手の黒崎播磨株式会社にも弊社サービスをご利用いただいております。
北九州市内の工場で、各建物を車で周ってバインダーと用紙を持ち歩いて数値を書き込んで…といった一連の業務を完全自動化できたという事例ですが、
貴社でも同様の効率化が達成されたのでしょうか。

佐伯様: そうですね。弊社でも同様にA Smart導入前は、バインダーに紙を挟み、各メーターを周って検針して記録し、監視室に帰ってきたらPCに打ち込んで、というのを毎朝実施しておりました。

山添様: 水であったり圧縮空気であったり、使用量を細かく見るべきところは毎日検針を実施しております。

データ取得後の工程についても詳しく伺えますか。
エネルギー使用量をラインごと、あるいは工場ごとに振り分けるのでしょうか。

佐伯様: はい、その通りです。
ただ、メーターが製造ラインに直接ついていれば問題ないのですが、毎日検針できない場所は検針期間より日割りするということでしか把握できませんでした。

山添様: 私どもの規模の工場になりますと、経済産業省の「エネルギー管理指定工場」という区分に割り当てられています。毎年1%以上のエネルギー合理化を果たさないと、工場に付けられるランクが落ちていってしまいます。
そうした”エネルギー使用合理化”という目標があり、本来であればメーターも毎日確認できればベストですが、ただ、毎日見る必要があるのか、こちらのメーターは毎月でよいのではないかといった限られたコスト制約から、優先順位の話がどうしても出てしまいます。
その点で、A Smartには通知機能があり、何か変化が起きたときすぐ分かるようになっており、それが本来の合理的な”管理”に当たると考えていて、とても良いサービスだと感じております。

ご導入までに時間は掛かりましたか。

山添様: 当時の部長がインターネット検索で見つけ、そこから当時の担当者…私に検討依頼が来ました。移動時間、メーターを確認する時間、PCに転記する時間を全てA Smartで短縮できると考え、社内向けに少し資料を作り、すぐにGOが出ました。

設置の場面で良かった点、悪かった点はございますか。

佐伯様: 良い点は、取り付けがとにかく簡単でした。他社さんでもこういうのはありますが、その中でもASIOTさんのA Smartはメーターにぴったりと直付けできるので、スペースが少なくて済みすごく良いなと思いました。
悪い点としては、防水仕様で屋外でも使用できるというお話でしたが、実際には雨が降るとメーターの撮影面が水で濡れて画像が歪み、ぼやけます。防水カバーとかがあるともっと良いなと感じております。今はビニール袋をかぶせて対応しております。

山添様: それでも専用アタッチメントのお蔭で、機器が着脱、脱着しやすいですよね。
防水の点で言えば、現在は濡れるメーターに対し、レンズ~メーターの間にアクリル棒を挟んで密着させ、撮影面だけは結露させない改善もできました。

トライアルからご導入までで良かった点、悪かった点はございますか。

佐伯様: 設置当初はデータがこなかったり、撮影画像も光で数字が白飛びしてしまい読めなかったりと、不具合がありました。他社さんでもそうだったのですが、読み取り精度は良くなかった印象です。
でも今、そういうのはほぼないですね。かなり読み取り精度が向上したと感じております。今読み取り不良というと、本当に電池切れの時の印象です。

ご説明させていただくと、通信品質の改善によってデータ送信時のミスがほぼなくなりました。
サービス提供の最初期はZETAの通信形式を使用しており、回線帯域が細く遠方までカバーできるものの、おっしゃっていただいた通り、稀に止まってしまうことがありました。貴社のご導入直後、携帯電話のキャリア回線と同じものでの通信形式に変更となったため、やはり通信品質の改善はございます。
読み取り精度に関しましては、現在お蔭様で1万台弱のサービス導入実績となり、AIの学習量が増えたことで、精度が飛躍的に向上しました。カウンター型メーターとデジタル型メーターの両方に対して精度が大幅に改善されました。


佐伯様: そうだったのですね。確かにエラーが出て困るねと言っていたのも導入して1カ月くらいで、そこからピタッと止まったのを思い出しました。

近年、企業の取り組み課題として脱炭素があると思います。例えば経営企画部から現場に向けて『エネルギーの使用量と排出量を報告するので提出してください』といった要請があるというのもよく伺います。


山添様: 私どもで言うところの”エネルギー合理化”が正にそれで、カーボンニュートラル、カーボンオフセットといった言い方もありますし、GXリーグといった大きな話にも繋がってくるかと思います。
ただ、現場は常に変化するもので、エネルギー使用量だけ比較して差があったら直ちに異常ではない場合があります。無駄遣いやエネルギーの漏れ等が理由だったら勿論良くないのですが「その差分できちんと増産していました」だったら異常ではない。こういったところを最後に見極めるのはやはり人になってしまいます。
とはいえ人が見ていないタイミングで「使用量が増えていますよ」と機械にまず教えてもらって変化に気付けているのも事実で、そこを助けていただけるのかなと思っています。

そうですね、熟練者や人間の五感の完全な代替は難しいものの、例えば非可聴音の異常音の感知等、機械ならではの領域は模索していけるものと考えております。

検針だけでなく点検でもお役立ていただけるように、改善を継続してまいります。今後もご愛用いただけますと幸いです。
本日は貴重なお話を有難うございました。

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