A Smart導入事例
山形県山辺町
| 業種 | 自治体 |
|---|---|
| 規模 | |
| 利用用途 | 人員不足カバーデータ活用・分析 |
少人数での山間部の水道施設管理、A Smartで現地訪問の負担を軽減
積雪時にも役場からメーター数値を確認
山形県山辺町では、町が管理する山間部の水道施設にA Smartを導入し、メーター数値を遠隔で確認しています。約10世帯の給水に関わるこの施設では、これまで職員が現地へ足を運び、メーターや配水池の状況を確認していました。役場から山のふもとまでは車で片道約30分。積雪期には”かんじき”を履いて雪道を歩き、メーター周辺の除雪も必要になるため、出発から状況確認までに1時間以上かかることもありました。積雪期の前後には、熊対策をしながら山に入る必要もありました。
役場にいながら施設の状況を把握できる仕組みを探されていた山辺町が、A Smartを選んだ理由と導入後の変化についてお話を伺いました。
お話をしていただいた方 : 山形県山辺町役場 建設課主査 鈴木将太様
*掲載の情報およびインタビュー内容は、取材当時(2026年10月)のものです。
導入の概要
- 導入目的 : 山間部にある水道施設の状況を遠隔で把握し、現地確認の負担を軽減すること
- 選定理由 : 既存メーターに後付けのみで設置でき、手頃な価格で1台から導入可能だった。施設の規模および目的に合った性能と費用対効果が見合っていた
- 業務運用の変化 : A Smartプラットフォーム上の数値やグラフをもとに、メーター数値の確認を継続する場合と、現地対応が必要な場合を迅速に判断できるようになった
- 給水面での効果 : 漏水時の水量変化を把握することにより先手での対応を進め、修繕完了までの給水を維持して断水を防止できた
山間部の水道施設を、少人数で管理
― A Smartの導入対象と、ご担当の業務について教えていただけますか
鈴木様 : 今回A Smartを導入したのは、山間部にある水道施設のメーターです。約10世帯の方が利用されている水道で、住民の方々による水道組合があり、施設管理は町で行っています。
担当人員は現在4名です。水道以外の業務も担当しており、現地へは状況に応じて1〜2名で向かいます。係の中で役割を分担しながら、施設の確認や必要な対応を行っています。

冬は"かんじき"で雪道を30分、負担の大きかった現地確認
― 現地での確認には、どのような作業が伴っていましたか
鈴木様 : 山辺町の水道施設では、浄水場で作った水をポンプで配水池へ送り、そこから高低差を利用して各家庭へ届けています。ポンプが30時間連続で運転すると、電話で警報が届く仕組みです。
警報は設備の状況を確認するきっかけになりますが、連続運転の原因を特定するには、メーターや配水池の状態を確認する必要があります。
これまでは、片道30分ほどかけて現地へ向かっていました。山間部なので季節によって確認にかかる時間も変わります。冬はメーター周辺の雪を掘る必要がありますし、積雪で配水池まで車が入れないときは山のふもとで車を降りて、”かんじき”を履いて30分ほど雪道を歩きます。移動や降雪の状況によっては、出発してから状況を確認するまでに1時間以上かかっていました。
住民の皆さんの生活を支える施設なので、迅速な状況把握と対応が重要です。その上で、現地へ向かう前に役場から状況を確認できる情報があれば、より正確な判断を早期にしやすくなると考えていました。

決め手は、後付け式設置と1台からの導入
― A Smartをお選びいただいた理由と、導入までの経緯を教えていただけますか
鈴木様 : もともと、役場にいながら施設の状況が確認できる方法を探していました。前任者がネット検索でA Smartを見つけて、山間部は通信の安定性が不明だったので事前に現地で通信テストを実施し、想定設置箇所でも通信できそうだというところまで進めていました。私はその検討を引き継ぐ形で導入を決めました。
選定理由として大きかったのは、既存のメーターに後付けできることです。検討した選択肢としてまずスマートメーターがあり、メーター自体の交換や電源の確保が必要でした。今回のような小規模な施設では、目的に合った機能で無理なく導入できることが重要でした。必要としていたのは、各家庭の料金算定のための検針値ではなく、施設のメーター数値を確認し、貯水の状況を把握することです。1台から導入できるA Smartは、その目的に合っていました。
庁内では、現地確認に伴う作業と、導入後にどのような運用ができるかを説明しました。
事前に通信テストで、想定設置箇所での通信を確認できたことも後押しになりました。
アラートとグラフで、現地へ行くべきかを役場で判断
― A Smart導入後は、漏水が疑われる際の対応はどう変わりましたか
鈴木様 : 今は、ポンプの30時間連続運転の警報に加えて、A Smartでメーター数値に対して一定のしきい値を設定し、メールによるアラートを受け取っています。
もちろん水が集中して使われたときにも数値は上がるため、アラートだけで判断するのではなく前後の数値やグラフも確認しています。一時的な増加なのか、あるいは普段より多い状態が続いているのかが分かると、実際の水道使用によるものか漏水の疑いなのかを判断しやすく、対応も考えやすくなります。
水量が少し増えてきた段階では注意して見守り、必要に応じてデータが届く間隔を短くする。更に大きな変化があれば現地へ向かうというように、状況に応じて段階を踏めるようになりました。現地訪問を決定する前に数値にもとづいた判断材料が得られるので、不要な移動を減らして必要な対応に時間を割けるようになったと感じています。
必要があれば、休日も家でスマートフォンから確認できます。施設の警報が届いた際にも、メーターの数値が普段と比べてどうなっているかを確認できるので、対応の優先度を即座に判断する材料になります。いつでもどこでも状況を確認できることは安心につながっています。
2026年6月、2度の漏水:発見から修繕完了までの給水維持
― 2026年6月の漏水対応でも、A Smartをご活用いただいたと伺いました
鈴木様 : 実は6月には2回の漏水がありました。
1回目は数値が急に大きく増えたので、すぐ現地に行きました。確認したところ、配管の接続部分が外れていたことが原因でした。
修繕後は一旦落ち着いていたものの、1週間ほどして、近くの区間でまた数値が増え始めたのが2回目でした。「また増えてきているな」と継続して監視していたところ、大きな増加があったのですぐに次の修繕を手配できました。
漏水箇所を特定する際は、止水できる区間を使って範囲を絞り、実際に歩き回って探します。ここも割と時間のかかる部分です。そうした現地での必須作業も、遠隔で確認できる数値やグラフが加わったことで、変化を把握しながら対応を進められるようになりました。
― 水量変化の把握は、修繕作業完了までの給水にも役立っていると伺いました
鈴木様 : はい。本格的な漏水が判明した際は、修繕作業の手配とあわせて工事が終わるまでの給水をどう維持するか考えるのが大切です。今はA Smartの数値で漏水量を計算し、配水池の水がどのくらい持つか推定するための材料にしています。
状況によっては、夜間の一時的な断水で配水池に水を貯めて朝に給水を再開することもありますし、圧力を調整しながら給水を続ける場合もあります。水量の変化を把握できることで、こうした対応を早めに検討しやすくなりました。
漏水時には、修繕作業に必要な時間も考えながら迅速に対応することが重要です。数値をもとに見通しを立てられることは、住民の皆さんへの影響をできるだけ抑える上でも役立っています。
同じデータを見ながら、チームで状況を共有
― 日々の業務や、職員の皆様の間では何か変化がありましたか
鈴木様 : 数値やグラフを見ながら話をするようになりました。皆で同じデータをもとに話せるようになったのは良かったことです。「ここの数値は下がったね」「ここは落ち着いたね」と、施設の状況が可視化され共有しやすくなりました。係長もよく見てくれていて、朝に「今日も落ち着いているみたいだね、良かった」という会話から始まる日もあります。
遠隔で確認できる仕組みを、山間部以外での検針業務にも
― 今後のご活用について、お考えを教えてください
鈴木様 : 日々の状況だけでなく、月間や年間の水量を数字やグラフで確認できるのは便利ですね。
今後は、平野部で井戸水を利用している地域や、別の山間部でも活用できればと考えています。現在はそちらへも職員が検針しに行っているため、遠隔で確認できるようになれば負担を減らせるのではないかと思います。まだ検討の初期段階ですが、メーターの交換等、現地で作業するタイミングにあわせて導入できないかと庁内でも話をしているところです。
実際に使ってみて、役場にいながら数値確認できる便利さを感じていますので、検針業務全般で活用できる場面を考えていきたいです。
同じ課題を持つ自治体へ:まずは「どう使いたいか」の相談から
― 同じような課題を持つ自治体の方へ、メッセージをお願いします
鈴木様 : 自治体ごとに手続きや運用の条件が異なると思いますので、まずは「どのように使いたいか」気軽に相談してみるとよいかもしれません。
私たちも、自治体としての事情や希望する使い方を伝えながら相談しました。対応できる範囲はあると思いますが、アシオットさんから柔軟にご提案いただけたことで庁内でも説明しやすくなり、導入につながりました。
個別の事情でも「こういう風に使いたい」「こんなところが気になっている」とまず伝えてみることが大切だと感じています。私たちも、営業担当の方と相談しながら進められたことに感謝しています。
アシオットより
鈴木様、取材にご協力いただき誠にありがとうございました。
山間部や積雪地域など、現地確認に多くの移動時間や準備を要する施設でこそ、現地へ向かう前に役場から状況を把握できることが職員さま方の負担軽減につながると、お話から改めて感じました。


