有限会社磯部ビル
IT補助金の助成により、磯部ビル様ではメーター検針作業を効率的に自動化し、管理会社との連携を深めることができました。この変革によって、日常のビル管理がスムーズかつ効果的に行われるようになり、運営品質の向上が実現!
「磯部ビル」を所有・運営している有限会社磯部ビル様(以下、磯部ビル)。周辺に新しいビルが次々と竣工する中、テナントへのサービスを第一とし、時には大がかりな改善に取り組みつつ、長年にわたって手堅い経営を続けています。ここでは、「磯部ビル」が「A Smart」をご導入いただいた経緯、ビル管理会社との関係性づくりなどについて、有限会社磯部ビル 代表取締役社長の磯部和仁様にお話を伺いました。
有限会社磯部ビル 代表取締役社長 磯部 和仁様
導入の決め手
- ・他社と比較した時に、汎用性と価格
- ・IT補助金も利用可能
- ・エビデンスとしての証拠写真が入ってくるので、データの信頼性が高い
- ・高額の設備投資が不要だったこと
導入目的
- ・管理会社との関係をより良くする
- ・検針業務の無人化
導入した結果
- ・管理会社との関係がさらに深まった(他の業務に集中できるようになった)
- ・人為的ミスが軽減され、業務の大幅な時間短縮ができた
- ・メーター画像取得による報告データの信憑性が上がった
磯部様がオーナーとして、検針業務について、当時抱えていた課題は何でしたか?この課題が御社の業務の中でどういった影響を与えていますか?
まず、オーナーとしての立場にありながら、テナントの存在があります。テナントの営業時間中や閉店後に敷地内に入り、メーター検針を行う必要があります。共用部に設置されたメーターであれば特別な許可を求める必要はありませんが、例えばテナントが会議中や顧客との商談中に検針作業を行うと、テナントにとっては不快なものです。まるで外部の者が店舗に入るかのような状況です。そのような状況がなくなり、ストレスが大幅に軽減されたことは確かです。
また、メーター検針は月に一度行われますが、メーターの設置場所が各フロアに分散しており、前回のメーター数値と照合しながら、異なる鍵を持つバックヤードの扉を開閉し、手作業で記録を取っていました。これは相当な労力が必要であり、全て手書きで記録されていたため、記録の信憑性も疑問視されていました。人が鉛筆で書いた記録が残されており、前回のメーター数値と照合しながら、メーターの使用量が増加していることを目で確認していたのです。 実作業の負担はもちろん、心理的なストレスも大きな負担となっていました。
その時の検針業務は誰が、どのように対処していたのですか?
元々、当社は自主管理を行っており、検針業務は身内で対応していました。A Smartを導入する以前は、管理会社に検針と請求業務を依頼していたことがあります。
社長自らが検針を行うことは、大変な作業だったのではないですか?
その通りです。特にメーターが汚水槽の隣に設置されている場合、悪臭がしたり虫がいたりすることがあります。そうした状況は精神的にも負担となり、決して前向きに取り組める作業ではなく、嫌々ながら行っていました。
なるほど、それは大変だったと思います。一般的には、不動産管理会社が人件費の削減を目的にメーター検針の自動化を検討するケースが多いですが、不動産オーナーとして自動化を導入する決断をされたきっかけを教えていただけますか?
確かに、不動産管理会社の業務負担を軽減したいという思いがありましたので、オーナーとして費用の決済を行うことにはなりますが、積極的に自動化システムを導入することにしました。この導入によって、管理会社との関係がより一層深まり、非常に役立っていると感じています。
A Smartの導入費用は不動産オーナーである磯部様が負担されましたが、それによって管理会社への管理費用は削減されるのでしょうか?
実は、不動産オーナーの立場から考えると、最も優れた管理会社とは、物件を満室に保ち、効率的に運営してもらうことです。したがって、リーシング(賃貸契約の更新や新規獲得)の業務を強化できるのであれば、管理費用は現状維持でも問題ないと考えています。検針業務をいかに効率化しても、それだけで収益が向上するわけではありません。そのため、検針業務を自動化し、空室の営業に力を入れた方が、オーナーにとっては望ましい結果をもたらします。空室を放置し、日常業務に追われてしまうことが一番の懸念です。
そのため、優先順位を適切に設定し、管理会社には現状の管理費用を請求してもらい、その代わりに満室を目指す努力を続けていただくことが重要です。
通常は管理会社が利益を直接得るために導入を検討することが多いですが、オーナーが導入することにより、管理会社との関係がより良くなりました。 これは人間関係の構築にも寄与し、「今後もよろしくお願いします」と言いやすくなるため、管理会社との関係性が最も重要だと思います。
なるほど、つまり管理会社の検針業務を効率化し、その業務に割いていた時間をより有意義な活動に充てるというわけですね。
そうです。管理会社にとって有意義な活動とは、顧客獲得や売上向上に直結する業務です。そうした業務に時間を割くことができれば、オーナーとしてもその方針を支持しやすくなります。
そして、貴社はどのようなきっかけでA Smartを知りましたか?
メーターを交換する際にスマートメーターへの変更も検討していましたが、その費用は非常に高かったです。さらに、電気・水道・ガスの各メーターが異なるプラットフォームを要するため、現実的ではありませんでした。結局、アナログのメーターに交換しました。ずっと検針を手でやるのも面倒くさいので、カメラを後付けするという選択肢があることを知り、まずは他社の製品を調べに行きました。 しかし、他社では販売代理店が異なり、結果としてユーザーインターフェースに一貫性がないことが問題でした。一方で、A Smartは基本的に一気通貫されているハードを作られていて、かつユーザーの画面を作られているところが一緒なので、より信頼性が高いと感じ、A Smartを選択しました。
ありがとうございます。このようなお話を伺うと、非常に心強いです。上記他社との差分以外は、ご導入に際し、A Smartを選んでいただいた決め手は、何でしたでしょうか?
決め手は価格とその汎用性です。
電気、水道、ガスメーターが独立しておらず、一括で管理可能な点が非常に魅力的です。各スマートメーターを異なるシステムで運用する場合、それぞれにログインIDとパスワードを設定し、データのダウンロードが必要ですが、A Smartではこれらを一括で行えるため、機能としても大変適しています。
さらに、電気・ガス・水道を個別にスマートメーター化するコストの約10分の1という価格も、導入の大きな動機となりました。 また、IT導入補助金を提供する支援事業者があったことも、良い相性だったと思います。他社が支援事業者であった場合、三者間の調整によってプロセスが遅れがちになりますが、貴社が販売と支援の両方を担っていたため、迅速に導入を進めることができました。
導入を決めてから、実際に導入するまでにどれくらいの期間がありましたか。導入する際のハードルがもしあった場合は教えてください。
導入期間に関しては、現地での事前調査とIT補助金利用という部分が大きかったように感じます。 事前調査のためのチェックリストを提供していただき、動画リンクをQRコードで貼付けるなどの工夫が必要でした。こういった小さな点が忘れられがちですが、これらの準備を怠ると、作業が二度三度にわたってしまう可能性があります。この点は少し反省しています。
確かに、マニュアルや紹介説明のコンテンツ、資料などが不十分だった部分も見受けられます。これらは現在、弊社で改善を進めております。顧客からのフィードバックを基に、必要な改善を行っていきたいと考えております。他の補助金と比べて、IT導入補助金の申請手続きについてはいかがでしたか?
他の補助金と比較して、IT導入補助金の申請プロセスの完全なウェブ完結は印象的でした。具体的な作業はほとんど必要ありませんでしたが、紙の書類をスキャンする必要があったことを除けば、すべての添付書類を電子化しておけば、申請はウェブ上で完結することができます。これは非常に便利でした。
事前に準備が整っていれば、集中して1時間程度で申請が可能だと確信しています。準備をせずに後から登記簿謄本を取得、請求書や通帳のコピーをスキャンする作業は、分断されていて手間がかかります。しかし、最初に全ての添付ファイルを電子化しておけば、1時間ほどの集中作業で申請はほぼ完了します。このプロセスの利便性は非常に高いと感じました。
A Smartの利用で特に良かった点について教えてください。
最も良かった点は、手間のかかるメーター検針作業をしなくて済むようになったことです。メーターの設置場所にもよりますが、多くのビルでエアコン設備が整っていないことが一般的ではないでしょう。つまり、夏場は暑く、冬場は寒い環境での作業を強いられがちでした。特に地下の設備スペースでは、汚水槽が近くにあり、その匂いも大きなストレス要因でした。また、使用履歴がPC上で正確に記録されるようになったため、オーナーとしての安心感も得られています。
今後、A Smartを利用して試みたいことや実現したい目標はありますか?
今後は、Excelへの自動反映やAPI連携を駆使し、会計ソフトを介しての請求書自動生成に挑戦したいと思っています。技術的には実現可能ですが、適切なITスキルが必要になるため、まずは人材教育から始めたいと考えています。
管理会社のITスキルはまだ十分とは言えません。Excelへの反映作業が現状では人手に頼っています。理想はAPIを利用した自動化やRPAの導入で、ボタンひとつでデータが反映され、請求書が印刷されるシステムですが、ITスキルを持つ人材が不足しています。間違いが生じれば連鎖的なエラーが起こる恐れがあるため、ITリテラシーを向上させた上で新しい挑戦を考えています。
A Smartの目標は、検針業務やその他の紙ベースで行われている作業を自動化し、時間とコストの節約を実現することです。今後是非とも「Excelへの自動データ転記機能」を提案させていただきます。